ちり紙絡まる/藤鈴呼
山歩きが大好きだと君は言う
途中で鼻をかみたくなる程に
激しい花粉症を煩い続けても
登り続けるのが正義なのだと
中腹まで上り詰めたところで
一息いれようと振り返ったら
太い幹に揺れているチリガミ
ふわり風に乗って舞い踊る
チリシカラマルちりしからまる
ちり紙絡まるよ
面白くなって 三回唱えたら
君も肩を激しく揺らしながら 笑った
だって そうだろう?
近付けば 蝶の戸惑い
遠ざかれば ちり紙舞う光景など
そうそう あるもんじゃない
こんなに楽しい瞬間を 君と共有できたこと
それが全てだと 言い放つ
いつまでも 主張した
あれは ちり紙なのだ
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