夢現の狭間で/藤鈴呼
目の前の機械は 未だ動くのに
危険に晒される脅威と 不愉快さだけが
増大していく
こんな機会は滅多にないのだから
十二分に楽しんでおかなきゃ損・ソン!と
君は背中を押すけれど 瞳は白んでいる
泡立ててしまえば ミキサーなどなくったって
不安な心持ちごと
撹拌されるものでしょうか
夢現の狭間で 小さな光を感じ
トンネルを抜けたのだと 喜んだのも束の間
覚束ない足跡だけが響くから
眠りの続きを 堪能できない
異国情緒あふれる雰囲気
それだけで 光が華麗に歪んで行く
固まっているから
普段 一粒一粒には 意識が届かないけれど
ふとした瞬間に
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