夢現の狭間で/藤鈴呼
 
目の前の機械は 未だ動くのに
危険に晒される脅威と 不愉快さだけが
増大していく

こんな機会は滅多にないのだから
十二分に楽しんでおかなきゃ損・ソン!と
君は背中を押すけれど 瞳は白んでいる

泡立ててしまえば ミキサーなどなくったって
不安な心持ちごと
撹拌されるものでしょうか

夢現の狭間で 小さな光を感じ
トンネルを抜けたのだと 喜んだのも束の間
覚束ない足跡だけが響くから
眠りの続きを 堪能できない

異国情緒あふれる雰囲気 
それだけで 光が華麗に歪んで行く

固まっているから
普段 一粒一粒には 意識が届かないけれど 

ふとした瞬間に 
[次のページ]
戻る   Point(2)