惑星の先に/藤鈴呼
ピードで移動するので
絶対音感が必要らしい
少しの気温の変動や 太陽の角度によって
生き死にが 変わるのだ
それは 微妙な問題で
次の世は 約束されていないのですから
不安も 当然のこと
ビールに発泡酒
泡の出る液体としては
見た目にも 判断しづらく 押し黙る
そんな瞬間を 期待していた
或いは 飲んだくれて 酔っぱらってしまえば
降り注ぐ痛みも 半減する予測
現実には困難を極めた
先ずもって 酔いの感覚が 掴めない星達
彼等を酔わせるには
どれだけのアルコールを積めば良いのだろう
はて 何処に?
宇宙船は 非常食で一杯だ
ミジンコ一匹たりとも 追加出来ない
重量の問題です! と 船長
逆らうには 荷が重すぎた
謎解きの術も知らずに
チカチカと瞳を動かすばかりで
潤う方法が 分からなかったから
ここには 天の川が あるのに
目薬よりは ちょっと加湿出来るだろうに
乾いたままの 充血したままの眼が
何時までも 何時までも 痛かった
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