箱庭/卯月とわ子
 
ているの
だってもうずっと同じ色彩ばかり
夜というより闇というべきものがやってくる前に
わたしは目を閉じなければ

誰かがわたしの手を引っ張るの
それは夢よ
だっていつもベッドの中だもの
この部屋にはわたししか入れない
誰かが囁くなんて嘘よ
早く目を閉じて耳を塞いで
正しい夢が彼方からやって来るのを待つの

午前零時の舞踏会の相手はいつも貴方
わたしの手を引っ張るのも囁くのも
それは貴方の仕業
でもそれも夢よ
だってこの部屋にはわたししか入れない
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