レモネード/藤鈴呼
までは 雪だった
思い出す手前で 目を瞑る
閉じてしまうのは 勿体ないから
ほんの少し 甘酸っぱさを
思い起こすかのように
静かな流の中で 輪切りの檸檬が揺れる
こんなに穴が開いていたんだねえ
綻びを縫うような糸が 見つからないけれど
汚い意図が露見するよりは マシなのだと
言い伝えた
この心に あの瞳に染みわたる レモネード
酸っぱいのは キライだと
既に 伝えた はずだった
るるる
溶かされた ハチミツの行方だけを
追い駆けられないでいる
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