待機中/
坂本瞳子
ふと窓辺に立って
外を眺めたりしてみる
波が荒れている
春はまだ先だと聞かされている気になる
その寂寥たる景色に
自らの境遇の温かさが身に染みる
沈黙に包まれることの幸せを噛み締めて
切ったばかりの髪を揺らしてみる
誰かに出会えそうな
そんな気がするけれど
まだもう少し
ここでこうして待っているのがいいようだ
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