男の子のまま/
秋也
一緒に笑顔で興じた母なる人はもういないけれど
丸をつけなきゃ
砂場に丸を書かなきゃ
指で綺麗な丸を画かなきゃ
僕が男の子をやめない証拠
丸を書き始めては閉じ続けなきゃ
砂に丸を納めなければ
白とは言えない砂地に
土とは言えないやや冷えている部分の砂を丸く掘って
丸く浮かび上がらせないと
人差し指が落ち着かない
「あ、いい感じの木の枝」
棒とは言えず
僕はこれで何をするんだろうか
枝を拾って砂場で
さあ書こう。
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