錆び/
山内緋呂子
倉庫に積まれても
思い出すのは 彼のことで
「藁が多いですよね」とか話していた
目の前の男に
「足1本ちょうだい
しがみついて寝るので」
と言ってしまった
外に出たら
これから先
私の髪は 赤く染まる
倉庫の色が 赤だったか黒だったか 忘れた頃に
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