東京ベイブルース/梅昆布茶
 
ただしめやかに歩く淑女のように

夜は遠くちかい
言葉は甘くせつなく憂いを含んで
いつも裏切られ続ける恋人たち

臨海工業地帯のパイプライン
夜釣りの安藤さんが大好きな場所を
邪魔しない様に車を停める

誰からも着信しない真夜中
都市と星がまばたく

もう痛んでしまったセロリを齧る度に
宇宙と星々はちょっとだけ震えて
粗雑で繊細な夜をケンタウロスが疾る

















戻る   Point(19)