ちっぽけなロードショウみたいなドライブ/
 
二人は同時に手をふって別れました

それは一瞬の出来事だったのですが、それだけあれば
どんな空も渡っていける気がしました


春の海にははぐれはぐれの雲たちが集まってきます
むかし、まだ制服のスカートの裾を揺らしていた風が、
みんなに伝言を残したのでしょうか

もう2度とかつての大きな雲に戻ることはないけれど、
あたたかく寄り添うことはできると知りました

おもいでを持ち寄ってかこむ非常階段と
音の連なりは確かな絆なのでした

捨てることなんて、やっぱり、できませんでした


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