蜘蛛の手/塚本一期
下着に着替えて写真を撮った
下着の意味をなさない下着に着替えて
いてはいけない 遠い 遠くの
ぼくの大事にしている恋
人の ため
に
きみがいると 発作が起きない
きみは月に一回にたくさんもらえる
お薬みたいに よりも 効き目があって
ぼくは死にたいなんて
言わなくてすむ
ようになるからさ
きみが裸になれと言えば
ぼくは裸にだってなったさ
ぼくは自分を責める言葉をさがしたけど
見つからなかったんだ
ほんとうに 人間が
意地悪なだけ
だった
病気のせいにもしようとしたんだが
果たして病気が病気なのかすらももう
わからなくなって
しまったんだねも
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