最期のタバコ屋にて/梅昆布茶
 
最期のタバコ屋で最期の女に出会い
最期の言葉を交わして
いっしょに暮らそうかとも想う

いつも最期に出会いたくないので
のらりくらりいきている

挑戦状のないリングで闘争心のない犬と成り果てて
色を失した月が墜ちる

ことばだけでは辿り着けない
かたちのないものばかりと暮らしている

人生は華やかではないがそこそこ
おもしろいとおもっている

最近はかたちのないものを集めているが
収集した彼女はしっかり 現実的な
最期の かたちなのかもしれない











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