創作童話詩/水菜
 
ねたら、
美しお化けの千佳子ちゃん
白い指でそっと示して
そこに一面鯉の花
赤白黒と散りばめて
咲いたように凍ってた
口を開けたま
ひれのばし
優雅に泳ぐそのままで
凍ったそのまま夢のよう
白い面に大きな眼 黒目がちのその瞳 涙をためて
綺麗ねといった私を少し軽蔑した目
からんころんと空瓢箪
白い風がびゅうと吹いて
千佳子ちゃん赤い唇 白い面
どこからともなくお囃子が
ぴーひょろぴーひょろぴーひょろろ
ぎゅぎゅっと唇ひと噛みして
踏み潰した白無垢を
そのままお池に投げ捨てて
ちかちゃんそのまま蹲り
ぴーひょろぴーひょろお囃子は
そのまま消えて行きました
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