紅白蒲鉾/藤山 誠
 
尻尾の長い鳥の絵とかきんぴかの文字で春を迎える旨とか
そこかしこに張り出されてる

家族やら友達同士で寺だの神社だのに行ったり
屋台が出たりしてふわふわした心持ちになってる

新しい着物だのハツモノだの竹の飾りだの
餅とか雑煮とか年越し蕎麦とか

こんな不味いだけの蒲鉾を食ってる間に
雪だるまは溶けていく
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