峻厳の冬/
藤山 誠
長いこと彼の声を聞いてない
もう三ヶ月くらい
家の外は寒く
雪が残ってる
彼は普通の顔で
普通の声で
文句を言ってる
きっとどこかの暗い場所にいるのだ
そこは凄く暖かくて苛立っているんだ
世界や世間がどうとかいうのは
私には全くどうでもよいことなんだけど
家の外は冬で
雪が積もるたび埋もれてみたくなる
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