螺旋の上/
プル式
一つ増えた世界は明るすぎて目がくらんだ
眩しくて見えないと言うと友人は笑った
世界はこんなにも美しいのだと
笑って笑って僕を連れ出した
きらきらと光る世界の中で
あの日消えた僕の半分が黒く
ガサガサとした塊になっていた
怯えるようなそれを抱きしめると
友人は泣いていた
嬉しそうに泣いていた
ある日僕の世界は三つになった
優しくないもので溢れた世界の中で
暖かな日差しに僕の両手は引かれている
僕は笑っている
あの日消えた世界の半分はもういない。
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