弥栄の空模様/高原漣
 

我ら何処より来たり何処へ行くのか未だに誰も応えない

金色の頭垂れる瑞穂はすでに刈り取られた

静かな水と物言わぬ葦原だけが残され

その上にコントラストのきわだつ光の帝国が現出し

日の出ずる国から太陽が去るまで

天空に輝く帝国は鎮座する

沼の北にゆくと雨があがった

わたしはただ、眺めていた

その日の空に現れた油絵を

ただひたすらに美しかった

美しければそれでいいと思った
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