安羅部とヒヨコ/5or6
た
アラビア語で話している
彼女は青年を見てアラビア語で文句を言おうと思ったのだろうか
それとも青年がつけているのを知っているのだろうか
それはわからないまま彼女は話す
内容は世界平和についての話だった
青年は聞き入り涙が溢れて止まらなかった
告白なんて出来なかった
青年はアラビア語で馬鹿野郎とヒヨコを投げる彼女に礼をしてその場を後にした
アラブに帰っても忘れられない夜だった
時が経ち青年は王様になり
国民の前でスピーチをする事になった
スピーチ中
渡された原稿から目をはなし
ふと彼女がヒヨコに話していた事を
国民に思い出しながら話した
話し終わると国民全員が拍手を
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