うみねこのうた/水菜
 
ぐちゃぐちゃになってしまって
混乱のさなかにいる

それは、きっと、無防備な墓場

孤独は、きっと他人がいて初めて作られるもので、
他者が居て、初めて、足るを知ることを覚える

きっと、賢明な方は、態々開こうとはしない

すっと、身体全体を緊張させて

風を読んで、うみねこは、飛ぶ

あの薄青い空を自由に羽を広げて

君は、知っているか

だからこそ、世界は、美しいことを

混沌の中を縫うようにきらめくものが眠っている
蠢いている

傷付けばそこには、汚れたものしかないのか
いいえ、傷付ける人ほど、なにか大切なものを得るのです

薄汚れた手が気に
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