泥仕合/藤鈴呼
犬の 首輪のような 大きさのそれを
胸に 抱きしめる
粉雪だから 平気
大きな傘も差さずに
誰に 襲われても 太刀打ち出来る様に
床と並行に 持つ
ぎゅっと握りしめた掌から
ゆっくりと 滲み出すのは
いつか ワタクシの肌を温めていた
赤色の 液体
それは ワインでもなく
血液と呼ばれる 個体でもない
ささくれだった指先やら
かじかんだ指の横側なんかに
惑わされぬように
指先で 三角を作り上げ
その スペースから 見上げた空が
目に 痛かった
★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°
戻る 編 削 Point(0)