入院/5or6
のベットから外を見て
落ち葉が落ちたら死ぬとか死なないとかのシーン
あいにくここは四階で
一本の木に付いた葉はなかった
青空は見えた
そこに鳥が羽ばたいていく
と想像する僕を見つけて嫁は
勝手に場所変えないでね
と文句を言った
葉っぱが見たかったんだと言って
もう一度ベットで寝返りをした
夜
点滴が終わると
まるで命を与えていたものが
逆に食い殺そうとするかように
細い管に血液が逆流していく
無機質な点滴の袋の中に
僕の血液が入り
その血液で誰かを救えるのかなんて
空想する間もなく看護師がやって来て
新しい点滴を入れ替えてしまう
こうして点滴の袋は
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