ドトールにて/高林 光
こういう真新しいチェーン店のカフェにはほとんど立ち寄らないのだが、入ったのには理由があった。
ここには、今どきのカフェには珍しく喫煙室があるから煙草が吸える。
慣れないカウンターでコーヒーを頼み、喫煙室に入る。昔の喫茶店と違うのは、しっかりと区切られた部屋になっていることと、空調のおかげで煙草の煙も、匂いすらもほとんど感じられないことだ。
わけあって昼食を食べのがした。空腹のなかコーヒーと煙草を同時に喫すると、やはり胸焼けがする。そういえば昨夜はほとんど寝られなかったし、いろいろな行き違いのせいで黙っていても気分が悪い。
誰が悪いということもなく、そして自分だけが悪いとも思えない
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