バス待ちの青年/葉月 祐
 
らしい日常の数々を
数えきれない程見ていたよ


それなのに
僕が乗れるバスだけが
来ないんだよ

なあ どうしてなんだ

それは日常には含まれません、
とでも
誰かが言いたいのだろうか

そんな訳あるか





ふと気づくと
誰かがバス停に
傘を置いていってくれたらしい




その傘が

僕に乗れるバスは
未来永劫やって来ないという事を
告げているかのように思えた













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