大地の広場/藤鈴呼
喉元でクグモッテいる言葉を
噛み砕いてみないか
ヨダレを垂らした狼が
遠吠えを繰り返す
夜が好きで
闇がキライで
狭い処は 何故か安心できるからと
膝を抱えて眠る
その態勢は 心配事を抱えている証拠だよと
夢の中で 狐が笑う
精一杯 背骨をS字に折り曲げて
垂直の文字を 描くように
髪の毛 全てを 束ねて
カラーリングなど 必要ないのと
自ら溶いた炭で 掻きつける
硯の窪み方が 大きすぎて
転がってしまうかのよう
和紙の厚みが 足りないから
裸足で駆け抜けるには
危険すぎる道
芝生の上ならば 安全だろうか
隅っこ
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