自暴自棄の一歩手前で/葉月 祐
 


時々苛立ちが頂点を極めると
そこらへんのタクシーをとめて
『この世の果てまで頼むよ』
なんて 言ってみたくなるんだ

もちろんやらない


訳もなく感情がたかぶれば
もみじが萎れて足元に降るだけで
『あんたもひとりなのか』
とか 泣きそうになって

めんどくさいんだよな


季節が巡り秋になる度
寂しさを愛しさと履き違える事
『おまえしか見えないんだ…』
あはは、
むしろ何も見えてないだろう

それらはベツモノです


夕暮れ時を歩いていたら
感傷的になって当たり前だ
『自分はなんて孤独なんだろう!』
そんな寝言は、

夕陽を見な
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