のぎへん/AB(なかほど)
 

みちたりの実をつけた木の下は
誘いの色と君の匂いに満ちていて
とても佇んでなんかいられずに
ものかけの実をひとつ齧って
足早に家へ帰る}




トンボが秋津と呼ばれたり
銅鐸にかかれたり
そもそも秋津国と呼ばれてたなんて話を
誰に聞かせるわけもなく口にする
あぁ、これでは祖父と同じじゃないか

室根山のふもとも
まだ黄金じゅうたんがひろがる
先の台風のせいで田んぼの水が抜けずに
コンバインを入れられない
とのんびり答えてる

まだまだ
僕らものぎへんのくにのひとじゃないか





即興ゴルコンダより

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