竹花/為平 澪
企みの芽を 鉈で打ち付け、打ち付け
取り除いていく
排除された竹の遺言を受け継いだかのように
周りの墓石が母を睨み付ける
流れていた微風が瞬時にして凍ったまま
墓と母の間を通過した
薄暗い藪の中に白い粉のような針の花が
二人の背中や肩に うっすらと降りかかる
(今年は竹花が、よう、咲くからな・・・
誰ともなく正面の墓石に上目遣いで告げる母
炎天
西を向けば川岸の景色までも見える程に
枯れ果て乱倒した多くの竹を強かに眺め
咲いてしまった後の昔語りを語っているのか、
母は合掌したまま 父の墓石に言葉をこぼす
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