いつか、夏の日/青の群れ
泡を吐くあの日のことは、たぶんこうありたかったという願望の話にすり替わってきました
去年の夏の暑さのことなどもう思い出せないけれど、じっとりと張り付いたTシャツで強い日差しから逃げるように歩いていました
夏の天気はすこし攻撃的、その日くらい一日中雨でもよかったのにね
できれば家の中にいて高校野球の中継でも観てさ、きっと小言を言うだろうけれど、それでもこっそり昼間からお酒でも飲んでたほうがよかったよ
いつの間にか空を覆い尽くして、グレー、雨粒が焼けたコンクリートを冷ましていく、黒の斑点
ジュウと音が聞こえそうなほど強烈な雨はあっという間に水たまりだけを残して去っていく
水たまりだ
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