さけとばのよる/藤鈴呼
 

たゆたう光のほどを
吟味したい夜

上向きの光は
いつかの饒舌さを
彷彿させる

上目使いの 潤んだ瞳ばかりを
バッサリと
掻き切って やりたいのです

世間では
帰りたくないかのように
扱われている らしいのですよ

こんな あたくしにも
帰る家 ひとつぐらいは
あるんですがね

呟いた 星ひとつ
今宵の酒に 埋めて
歩き出す

オツマミは 鮭とば
ちびり ちびり
齧り付く位が
丁度 良い夜に

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