カクテルドレス/藤鈴呼
例えばスライムのように
自由自在な味わいなど どうだろう
かき混ぜても かき混ぜても
ミキサーには叶わない充実さを兼ね備えた
魅惑の味
きっと ミルキーもびっくりするような
テイスト
舌を出したまま
怪しく 固まって しまうかのような
甘い蜜を称えた 赤い果実
この季節ならではの装いに
見比べてしまったのが過ちの始まり
外面の良いアイツ
最高潮の照りで ピカ一の笑顔
天気で言うなれば ピーカン
ここに咲く 彩りを 連想しながら
目の前の くし型の果実を 頬張る瞬間
もっと 甘かった筈だと
自らの 甘さにも 傷つく刹那
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