猫だった頃/梅昆布茶
 
「眠り猫」

眠りたかった
眠り猫のようにまるくなって
幸せな眠りの世界に入りたかった

好きだった
すべてを合わせても足りないぐらい
そのぶん言葉にできなかった


「猫の眼」

こころは瞬間から瞬間へと変化してゆく
外界の縁に触れて限りなく色をかえて

しあわせが柔らかな羽毛のように浮かんで見えようとも
それは微細な瞬間の集積なのだ

瞬間を充実させる努力がすべてであるのだとおもう

眼で見る
聞こえるおと
薫りを嗅ぐ
舌で味わうこと
身体で圧力や温度を感じる

そういった五感を綜合して
心として認識する

われ思うゆえにわれがあるの
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