ぼくのきらいなキミ/モリマサ公
る夢のなかで
キミは口からどんどん生きた子猫を何匹も何匹も吐き出して
生きた暖かい子猫を噛みちぎらないように歯を立てないようにしている
子猫たちは屋上からどんどん下の茂みに吸い込まれていく
ぼくのきらいなキミが柔らかい生きた子猫を吐き出す
吐き出すたびに
キミをますますきらいになりながら
自分を肯定できないぼくの癖は
キミをきらいになればなるほどにおぼろげながら浄化されていく
キミをきらいになればなるほどにおぼろげながらぼくは浄化されて
キミをますますきらいになりながら浄化されて
キミの最低な部分を
すごく
好きになる
瞬間は
ゆったりと
おとずれて
しまう
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