嘘まんじゅう/藤鈴呼
 
ャマだ
あの池に 落としてしまえ
ぽちゃん
何とも言えぬ 馬鹿らしい音が響いて
思わず くすりとする
頬が緩んだ瞬間に 思い出したのは 昼用の薬
未だ 服用してないじゃないかと 
ペットボトルを取り出して
ひとまず 炭酸で 喉を潤し 咳をする

空っ風の向こう側
乾いた空気感ばかりが ゆっくりと漂い
わざとらしい笑顔ばかりが 響く部屋の中で
思わず口を吐いて出たのは 溜息の代わりに
認められない ミステイク

「硝子にぶつかった カワセミの燻製が---」
瞬時に ヤバイオーラが漂い始め
私は ニヤニヤしながらも 体裁を整える
いぶりがっこの 香ばしさを 思い出しながら
あの 美しい 剥製を 脳裏に浮かべた

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