桜貝/ひびき あきら
 
振り向き様に わたしを見つめた

君の顔は 桜貝のようだった

海で拾った 小さな小さな貝殻に

錐で穴をあけた

まるで 君の頬のようだったから

君が此処に居るような気がしたから

突き抜けるような蒼い空

ざあと吹き抜けた風に

わたしのスカートが揺れた

ちゃぷちゃぷと揺れる 

水面を見上げていたら

君の足音がきこえて

ふりむいた 私の顔は 桜貝

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