でっかいペンギン/1486 106
修学旅行3日目の日
自由時間の合間に映画でも見ようと
僕達は大阪の適当な駅で降りて
エスカレーターの近くにいた女の子に声をかけた
そしたら不気味なくらい満面の笑みで
自分のスマホの取り出したかと思うと
映画館の住所をボイスメモに記録した後
それを両手で差し出して言った
メアドを交換して下さい
怖くなって逃げ出したけど
その日からずっとつけまわされた
彼女の姿は一向に見えないけど
後ろから押されて車椅子にもなった
俺は正体を突き止めてやろうと10年間調べ上げた
スマホに表示された名前を頼りに
どうやら彼女はずっと前に死んでいたらしい
あの日差し出された
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