コロッセウムにて/梅昆布茶
 
細胞が代謝するように
世界は常に変化してゆく

愛されようと愛されまいと
その変化はかわらない

そのなかで安定した日常を
維持しようとする本能と知恵が
文明と文化を支えているが

等質を認め等価を求めてしまう
組織や人間関係や国家が

僕らの首を締上げてきたことは
よく憶えているはずだ

淀んでもいけない
腐敗してはならない

無防備にも走れないが
いつも整備された良いエンジンが
単車の魅力なんだとおもう

僕の疲弊した実験室は
壁は落ち愛も削がれ

コロッセウムの中では
ダイダロスとヒーローが死闘中だ

僕が欲しいのは愛と時間と静謐に他ならない


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