或阿呆の一生/ハァモニィベル
 

 やはり憎みつづける)
縛られぬ精神を謳歌する囚われたこの身で
雑踏の鎖に巻かれて
何も言わずにいる 〈私〉 のうたに囲まれながら



夜明け前の地震で起こされるとき
並んでいる壜が、すべて床に落ち
粉々に割れるのを見たら
僕の心は、その時はじめて飛ぶだろう。

起き上がって
服を着るまでのあいだが
いつも、そのときだけが、
僕である時間だったのを
忘れて

















.《 2016年6月8日/或阿呆の一生/ハァモニィベル 》
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