北帰行/レタス
 
あふれる波に胸を打ち
ありったけの声を出して歌いたい

太陽でも月でも
何でも来い
おれは歌い続ける
誰も文句は言うな

おれはあの日を忘れない

いま18番ホームから旅にたつのだから
北への道のりは遠い
おれが東京に背を向けたあの日

杜の都
仙台は雨だった
けれど
それは暖かく
二十歳の冷えた肩を抱いてくれた

雨が降ればバイトも休みで
何時ものコースは
喫茶店 K だった
初めて知る大人の快感に溶けて
缶ピースを開け
JAZZを聴いたあの日
初めて恋の意味を知った

今でも
うずく想いのなかに



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