kamome/草野春心
 


  きみの額に
  落ちた、よる色のはなびら しっているか
  それはぼくが 云えなかった言葉だ


  ただ 白としろの縞模様を いつも
  ぼくたちは心のように抱いた きつく
  まぶしい 潮風に眼を閉じ、


  ぼくはきみが/きみはぼくが
  時のようにゆっくり消えていくのを
  痛みのなかに感じていた それもあの日、
  云えなかった言葉だ……それがあの日、
  遠く美しい空を 飛んでいたかもめだ



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