世界地図を見るまなこと、なにかしら○いもの/水町綜助
 
ローのフィルターがかかっている
風は追い風、光は順光、
石畳の街路を抜けて、
田舎町にまっすぐ伸びた道を、遠くに見える赤い屋根を、
そして白い幹にキミドリの葉を茂らせた街路樹をいちばん速く、
連続写真のように後ろへ流しながら、走る
地平線に近づくほどに、
薄まっていくブルーと、
灼けた茜色の平原
そのさらに遠くに、
きらめくうなばらが広がっている
きっと、いま、
そんな光景に、
朝目覚めたあの時のように
まぶしそうにあのまなこを細め、
紅茶にいろんな果実をつけこむように、色彩を感じて
路上で、五万キロの道のりを走っているのだろう

ちなみにぼくのさがしものは

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