inu/草野春心
 


  剥がされた ああ、
  犬 も……ひとつの
  呼吸から ああ、もうひとつの
  ことばへと いつわり (靴のよう) 
  さびしい (想うこと のよう)


   犬 も、
   さびしい ね、
   かたちというのはいつも、
   深いところに滴りつづけた闇でできた
   かりそめのかたまりのようだね……。



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