リーパー/塚本一期
誰かのことを、おもいやったりなんかしたことは
あるよ 人に
やさしくなんかしたことも
あるよいつもそうだったような
気もする いや
いや やっぱりそうだそうだったいつも
人にやさしくしていた
今となっては こうなってしまっては
普通に生きてる人々がうらやましい
パンにマーガリンを塗っているときに俯きながら
誰かの声を聞いて笑っている誰かが恨めしい
私は確かにやさしかった いつだって
笑ってた 許してもいた
あいつらみんな、どこ行った。
どこにも誰も いやしないよ
真っ暗なところから、真っ黒になった自分が
話しかけてくる
真っ黒になっていく 私は
真っ黒になっていくことを望んでいる
いっそのこと、真っ黒になるか
車の中で死体になってしまうことを
望み それから光を探していて
本当は救われたい
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