ミステリアス・パロディは月夜を染めて/りゅうのあくび
言葉たちが
何かの文字列として
渡り鳥の歌のかわりになれずにいた
叫びのように時を刻んでいる
薄墨色の影とはやはり言葉で出来ている
それが答えのふたつ目だろう
ミステリアス・パロディは
冗談みたいな嘘をつきながら
透き通るネオンサインのように
まるで不思議な月夜を
妖しく染めている
ジークムンド・フロイドの亡霊たちが
新月の暗夜にたむける情熱みたいに
セクシャル・パロディによって
月影が
遠く浅い海で踊り出す
愛という切ないひかりに照らされて
音のない言葉が
浮かび上がる静寂がある
真夜中の海は
月夜に包まれながら
密やかな恋の影を映している
それが答えのみっつ目だろう
月夜を迎える
詩人たちだって
愛しい人の影を
そっと胸に抱きながら
朝の陽射しを迎えるために
眠りに就くだろう
もはや彼によって
複製された冷たい影は
きっと無垢な春風によって
詩人たちに確かめられるだろう
罪深い月影やらは
眩しい朝の太陽から
静かな告白を待ちながら
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