インソムニア/さき
 
の部屋で
無機質な電子だけが
私の孤独を慰める
夜は長い
夢を見てると
必ず最後は
悪夢に代わる
白む明け方
終わったという想いに救われて
漸くまどろむ
一日が始まる
そんな繰り返し

眠りたい
眠れない
眠るのが惜しいあの夜こそが
夢幻の白昼夢
夢は要らない
何も要らない
この夜の全てに
アナタが欲しい
それだけなのに

音がしないこの部屋で
流れるテレビを闇に浮かせて
私は「一人」と
毎夜を明かす
紛れもない運命が
次の幕を明けるまで



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