遠雷/うみこ
剥き身のコンセント・コードから
銅線が見えている
君のプラン・Aが
ショートしてる
あの
廊下あたり
焼けた
ゴムの匂いがする
声や恋が
焼けた場所
まだ残ってる
灰のような陰
あの
夏のあたり
覚えが
ないかい
蛇口が上むいてる
(誰かとキスしたの?)
空の高いところで
静電気が波打ってる
庇のかげから
蒸された香りが降りてくる
理科準備室で先生の白衣の端がゆれている
紫色の雷は
僕が上向きに曲げたストローの先に落ちている
祝福されない 濡れた体
孤独のあり方に
電気を通した君と
手をつなぐこと
ちっとも怖くなかっ
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