ふしだらな体温計/アラガイs
 

自分だけが不幸者だと哀しい顔を怨む
君は僕を対象に君自身の世界をみつめる
癒しを欲しがり愉しい会話を要求するけれど
、真実不幸者が笑い合うとき
それは、這い上がれないほどの底辺に気力を無くした哀しみの最中にあって
互いに冗談を言い合いながらも心では泣いている
ちょうど葬式の最中に空気を一変して見せる乳飲み子
いらいらしながら無邪気な横顔を見せる栗毛の子供のようにね
だって対面する正装の笑いは腹の底で懐疑に充ちている
哀しみにいつ攻撃を仕掛けてやろうかと含み笑いを内臓に隠し持ったまま
ぬくもりは放物線を描き冷めていく
、一体何度に調整されなれければ気は済まないの?
そんな哀しみを笑い合えない嘘など僕にはつけないよ 。








戻る   Point(6)