ふしだらな体温計/アラガイs
 

わけのわからないことを口にして
君を本気で困らせたならごめんね
群れた羊の子が垂れた乳首から甘い汁を吸い込む
鋭い目つきの梟が二番めの枝からそれを見てる
長い夜を耐え偲ぶには手触りが欲しい
満月には枝の隙間から灯りが射し込んでやわらかな毛を照らす
触れあうだけのぬくもり
呼吸するなまなましさが恋しくなっただけかも知れない

これは微熱だよ
わけのわからない言動に僕たちはいつも困惑させられる
周囲を見てごらん
世の中を照らす灯り
みんな愉しそうに顔を歪ませては生きているじゃないか
夢で眼が覚める度に僕は鏡をみつめる
風もないのに醜さの右側と左側が比例して
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