そして始まりと終わりにミンク鯨を食べたものたち/アラガイs
溜め池の波紋が大きく揺れた
葦原に身を隠してはこちらの様子を伺っていた餓鬼どもが小石を投げ入れたのかと思った
そうか、いつまでも泣いてばかりは居られないのだ
ここから先はこの御玉ヶ淵に架かる橋を渡り切らなければその先へは進めないと書かれた掲示板を眼にすることになる
光彩の雲に浮かぶ山頂の門をくぐる
羅漢座石にどっかりと腰を据えた閻魔の判断を仰がなければどの道後戻りはできないのだ
橋を渡り切ればそれは恐ろしい形相をした赤鬼と青鬼が待ち構えていて
煩悩の輪をひょいと摘まむとこの鬼たちはそこで罪人か善人であるかを見極める
善人ならばそのまま巨大な重石を背負わされて山裾を抜
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