歌の役割/やまうちあつし
 
あの空の黄色と紺色が
どうやって繋がるものか
わからない

そこが
天国のありか

やり方の知れないことに
ほんとうのことは宿っていて
静かにいきものを見つめている
のだろう

楽器は
金色に輝き

自転車は
風をかきまぜる

遠くまで届く声が
近所のどこかでいつしか生まれて
天使は途方に暮れている
のだろう

それが
歌の役割
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