通りのブックオフ/番田 
 

誰もいない
私の目にできることはなにもない 人から
瞼を静かに閉ざされた しかし 私の 
多くは 目の瞼を閉ざされることによって 開かれる


私は日が暮れて 多くは 私の中にある
今日という日が満たされた部屋の中にある日が
そんな思いで 明日へ カーテンを閉じる 今日から 
繰り返される日々の中に私がいる


この街のブックオフでは そんな 
私は 人の狂ったように漫画を読んでいる
閑散とした書籍コーナーにいる 私は 誰もがたたずむ
そして アダルトビデオコーナーにいる人間の 一人だ


そして もう文学なんてものは だが
もう 面白くはない やがて
私が興味関心を寄せることは きっと 面白くなくなる 
誰もが思うことは 私が思うようなことではないことは 確かだ 

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